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チロルチョコ
「きなこもち」の正義についての話をしよう

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こんにちは皆さん。本日のお題はチロルチョコです。皆さんが日本に暮らしていて、コンビニに行くとします。どこでも構いません。ローソンでもいいし、セイコーマートでもいい。だいたいの場合、レジのカウンターに一粒サイズのスクエアな(いろんなフレーヴァーの)チョコがあると思います。ないところもあるかもしれませんが、たぶんおおかたあると思います。あれです。あれがチロルチョコです。


チロルチョコは、チロルチョコ株式会社で作られているわけですが、もちろんこの会社名はチロルチョコありきです。母体は1903年に福岡で創業した、松尾製菓という製菓会社。そこから2004年に分社してできたのが、チロルチョコ株式会社になります。松尾製菓は、元々キャラメルやアイスキャンディを作っていたそうですが、1962年にチョコレートを売り出しました。おそらく1960年にカカオ豆の輸入が自由化されたのが大きな要因でしょうが、ともあれ、これが「チロルチョコ」であるわけです。当初は直方体の形をしたチョコだったそうですが。

チロルとは何ぞや? 当時は、オーストリアのチロル高原のようなイメージを持ったチョコにしたい、との想いをこめて命名したそうです。でもこれ、どうなんでしょうね。2019年現在においては、そもそもチロル高原が(一般的には)イメージできねぇ、という気がしなくはないですけど。

チロルチョコのコンセプトは「子供がお小遣いでも買える、10円のチョコ」だったそうです。でも当時は、物価や為替の都合上(1ドルが360円くらいでした)、チョコレートを買うのに50円は要ったという時代。ちょっと厳しいですよね。そこで試行錯誤の末、チョコの中にヌガー(ソフトキャンディ)を入れることに。これでなんとか10円で売れるようになりました。そして瞬く間にチロルチョコは人気商品になったのです。

ヌガーって何よ、聞いたことないけど。そう訊ねる人は、コーヒー味のチロルチョコを思い浮かべてください。あれ、コーヒーヌガーって言うんですけど、あの中に、キャラメルみたいなものが入っていますよね。あれがヌガーです。ちなみに、現在のようにチロルチョコが一粒サイズになったのは1979年のことですが、その一粒サイズ第一号はあのコーヒーヌガーだったそうです。


ところでコンビニで買うと、チロルチョコって20円くらいするし少し大きめですよね。あれは元々のサイズだとバーコードが印刷できないからなんです。だから縦横それぞれ3センチにして(元々は2・5センチ)、値段もちょっと上げて、ということみたいです。

しみチョココーン」の頁にも書きましたが、私は2003年頃、女性の家に居候をしつつ、コンビニでバイトをしながら大学に通っていました。20歳になるかならないかという歳です。で、この頃、新しい味のチロルチョコが店頭に並びました。「きなこもち」味です。


珍しいお菓子が出ると、私は取り敢えず彼女に買って帰りました。きなこもちについては、当時、私が「ううん、これはキワモノやなぁ」と言うと、彼女は「えーっ、私は美味しいと思う」と言いました。あ、そう? 好みが分かれるもんなんかな。そう言いながら、1Kのマンションでこたつに入って談笑していました。今考えると、微笑ましいですね。

結果的には、彼女の評価が多数派だったんでしょうね。「きなこもち」は今やチロルチョコで断トツの人気を誇っています。とは言っても、私としては何やかや言うてもコーヒーヌガーがベストやな、と思っているんですけど。皆さんはどの味がお好きですか?



※参考文献:
伊東フミ『チロルチョコで働いています』KADOKAWA(2015年)

会社情報

・社名:チロルチョコ株式会社
・設立:2004年
・従業員数:約50人
・本社所在地:東京都千代田区外神田4-5-4 3F





 

『キシリクリスタル』
春日井製菓の、キシリトールを使ったのど飴

ポッキー
チョコレートを(部分的に)塗布した、棒状のビスケット