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■ 3月31日から4月29日にかけて、時計をフィーチャーいたします。







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キャラメルコーン
あの人気マンガの世界とも繋がっている?

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「キャラメルコーン」とは━━同名のお菓子がアメリカでも人気を博してきたがそれとは違う━━東ハト製の、1971年の発売開始以来、東ハトの看板と言って差し支えないほどのポピュラリティを獲得してきた、れっきとした日本のスナック菓子のことである。

やはりと言うべきか、なんと言うべきか、まず「東ハト」とは何かを語るのか筋だろう。物事には順番が肝心だ。東ハトは1952年に設立された、日本の食品メーカーのひとつ。2003年に彼らの関連会社がゴルフ場開発に失敗したことが原因で倒産の憂き目にあったが(ちなみに主要部門である食品製造部門は黒字だった)、その不動産部門を切り捨てることで、炎の中から蘇る不死鳥のごとく経営再建。現在は不二家同様、山崎製パンの傘下にて運営されている。




つまり彼らは複合企業としてはダメダメだったけど、食品会社としてダメダメだったわけではないということだ。そして「キャラメルコーン」は彼らの製造する食品の最高峰(看板商品なのだから)であるからして、少なくとも心配の向きはない。

次に「キャラメルコーン」とは何かだ。その主原料は、トウモロコシを挽いて作られた穀粒(コーン・グリッツ)である。それをポン菓子の要領で、圧力をかけて膨らませ、細かく刻まれたピーナッツを混ぜ合わせる。そうすることで食べた時にコーンの甘味がピーナッツの塩味によって引き立てられるのだ。

私見では、「キャラメルコーン」とは、日本人が健気に(と表現するべきだろう)再現した、黄金時代のアメリカである。主原料たるコーン・グリッツもピーナッツもアメリカの特産品なのだから。

「キャラメルコーン」の登場は1971年。ケネディが牽引した1960年代のアメリカは政治、経済、科学、文化など至る点で輝いていて━━その反動で1970年以降のアメリカには暗い影が立ち込めたわけだが━━、日本人の憧憬を誘った。アメリカのブリリアンスの終焉に伴い、日本人がかつての憧れを、ある意味で歪な形で再現した。「キャラメルコーン」とは、そういったたぐいのものだったのではないかと思っている。むろん、東ハトがそう企図したというわけではなく、結果的にそうだったのではないか、と。

ちなみに、スーパーなどで「チョコビ」なるスナック菓子が散見される。人気マンガ『クレヨンしんちゃん』から派生したお菓子だ。主人公のしんのすけが、作中に出てくるこのお菓子に夢中なのはご承知の通り。実を言えば、この「チョコビ」も東ハト製であり、「キャラメルコーン」の一種である。


東ハト公式サイト




 

しみチョココーン
独特のスナック菓子、らしいけど…

ブルボン
菓子メーカー「ブルボン」に関する考察