先ず、玉露についてご説明しましょう。高級なお茶なんだろうけど、詳しくは知らない、という方もおられましょうからね。玉露は煎茶と同じ種類ですが、製法が異なります。栽培過程で、すだれなどで茶園を覆い、日光を遮ります。それによって渋みが抑えられ、同時に旨味、甘味に秀でたお茶が育つのです。通常、20日以上覆いをかけて育ったのが「玉露」、それより短期間のお茶だと、「かぶせ茶」「冠茶」などと呼ばれます。
品種: その年によって異なる
茶種: 玉露
価格: 税抜2,000円(100 g)
おすすめの浸出時間: 2~3分
「なんか育て方だけ聞いたら、根暗な感じだなぁ」と思われるかも知れませんが、「覆い香」と呼ばれる、あの海苔を思わせる独特な香りは、このようにして生まれるわけです。一般には玉露の水色は澄んだ黄色で、澄んでいるほど高級とされますが、産地によって特徴が微妙に異なるそうです。
で、この玉露を1835年に発明した(厳密に言えば、玉露の原型を発明した)のが、山本山の六代山本嘉兵衛(徳翁)。実は山本山は創業が1690年という、老舗中の老舗なのです。現在は茶、菓子、海苔などを商っていますが、当時は茶と紙を江戸で商っていたそうです。
茶葉生産は京都なので、本社がある東京のお茶を、というより玉露のルーツをたしなむという意味合いが強い山本山の玉露「玉潤」ですが、玉露の旨味を堪能する上で、またその歴史に触れるという意味で有効なお茶であることは確か。独特の香りとコクを楽しんで頂ければ、と思います。