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■ 2月29日から3月30日にかけて、文房具をフィーチャーいたします。







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茶工房比留間園の「ゆめわかば」
渋みの少ない、バニラが香るお茶

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日本のお茶、と言えば、やっぱり京都の宇治か、お茶の生産量が日本一の静岡でしょ、と思うのが素人の浅はかさ。言い過ぎでしょうか、すいません。確かに静岡も京都もお茶の名産地には違いないのですが、日本でお茶と言って忘れてはならないのが、埼玉の狭山茶でしょう。

なんで埼玉? と思われるかも知れませんが、古来より「香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」(「狭山茶摘み歌」より)と歌われてきたように、埼玉県は、約800年の茶の歴史を持つ地なのです。現在では、入間市、狭山市、所沢市を中心に様々な品種が栽培されています。武蔵野あたりは冬になると霜が降りると云われますから、植物としてのお茶にとっても寒冷地にあたるわけですが、その激しい寒暖差が味に深みを与えるのだそうです。


品種: ゆめわかば

茶種: 深蒸し煎茶
価格: 1,080円(70 g)
おすすめの浸出時間: 50~70秒

「ゆめわかば」も(なんか「夢半ば」みたいでモヤモヤしそうな名前ですが)そんな狭山茶の一種です。2006年10月に品種登録されたと言いますから、お茶の世界では若手に位置しましょうか。乾燥状態の茶葉はツヤのある深緑色、淹れたての香りはバニラのように優しく、味も渋味は少ない、どこか台湾茶を思わせるものになっています。


狭山茶は茶葉の量が少なくても味がしっかりしていますが、その原因は「狭山火入れ」という独自の作り方にあります。寒冷の地で育った茶葉は肉厚になります。丁度、寒冷地の人に肥満体が多くなるのと同じようなものでしょうか。栄養を蓄えるためですが、その肉厚ゆえ、強い火での乾燥処理が可能となり、香ばしくてしっかりした味が出るのです。

手揉み茶の名手として世に知られる比留間さんが営む茶工房比留間園。お茶の製造・販売を手掛ける同園の「ゆめわかば」は、良質なバランスのとれた味を成立させているという点で、狭山茶をたしなむ際には是非ともお試し頂きたい一品なのです。


茶工房比留間園







 

飯田園の「稀天」
一貫して自社プロデュースの、茨城の猿島茶