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■ 11月30日から12月30日にかけて、「味噌」をフィーチャーします。







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みそトマト
北の国から珍スイーツを?

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こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。個人的な話になりますが、私は今年(二〇二四年)四十路になりました。もちろんこれ自体は「それがどうした」という話なのですが、この歳になって、つくづく思うことがあります。それは思想とか嗜好とかパーソナリティーというのは、本当に人それぞれなんだなということです。考え方、好き嫌い、そういうのは人によって方向性や程度がかなり異なるのだなと。

そんな当たり前じゃないか、今さら何をもっともらしく言ってんだと思われるかも知れません。でもこういうのって、頭で理解した気でいることと、実際につくづく思い知ることは、また別物だという気がします。昔の日本人は「腑に落ちる」という言葉を編み出しました。なかなか含蓄のある言葉です。きっと昔の人は、頭で理知的に知ることと、身に沁みて思い知ることは別事だと理解していたんでしょうね。

なんでこんな話をしているかというと、今回のお題である「みそトマト」が、私の嗜好からすると、到底理解できないものだからです。でもそれにもかかわらず、このみそトマトはロングセラーになっている(少なくともここ十年くらいは同社のラインナップに並んでいる)。だから、本当に好き嫌いなんてのは人それぞれなんだな、と感心してしまうのです。別に皮肉や捨て鉢で言っているわけではなく。


「みそトマト」


税込価格:810円(190 g)
賞味期限:21日間
原材料:ミニトマト、米、大豆、食塩

みそトマト。この単語を目にして(または耳にして)皆さんはどんな食べ物を連想されるでしょうか?

これが「トマトみそ」だったら、話は簡単です。トマトをどうにかして練り込んだ味噌、ということになるでしょう。これまた私は知らなかったのですが、実際にそういう食材もあるらしいですね。それをインスタグラムで紹介している人もいるみたいです。だからといって、試してみたいとは微塵も思いませんけど。

みそトマトというのは、ミニトマトを味噌に漬け込んだ食品のことです。種類で言うと、「野菜加工品」になるんでしょうかね?

ちなみに、ミニトマトは小さめのトマトのことですが、昔は「プチトマト」という言い方がありましたよね。実はプチトマトはミニトマトの一種だったようなのです。一九七〇年代に人口に膾炙したプチトマトですが、〇〇年代に他の品種のミニトマト(アイコやレッドペアなど)が台頭してきたことを受けて、現在、日本の市場ではほとんど姿を見なくなったと仄聞します。ってことは、二十一世紀生まれの人は、そもそも「プチトマト」を知らない、聞いたことがないということなんでしょうか。うわぉ。

話を戻します。

みそトマトを売っているのは、北海道の醸造会社「渋谷醸造」です。同社の創業は一九三三年。日本では小林多喜二が警察から拷問を受けて殺され、ドイツではナチス党の一党独裁が始まったという、なんとも不穏な年ですが、同社は小林ともナチスともたぶん関係なく、味噌を造り出しました。

この商品、ミニトマトも味噌に使用する米や大豆も北海道産とのことですが、米や大豆はともかく、トマトって北海道でも作っているんですね。意外な気がしました。というのも、私は大阪住まいなんですが、西日本でトマトといえばやはり熊本のイメージが強いですから。

同社によると、みそトマトに使われる味噌は、特別に作られたミニトマト専用の味噌なんだそうです。醸造会社ですから、トマトに合わせた味噌を造るのは自家薬籠中のもの、ということなんでしょうね。サラダ、あるいはデザートを食す感覚でみそトマトを楽しんで頂きたいとのことです。もっとも、季節限定商品なので、五月から十一月の間しか販売していませんけれど。

ただ、取り上げておいてナンなんですけれど、私はやっぱりムリかなぁと思います。別に「味噌とトマトの組み合わせがムリです」というわけではなくて、単純にトマトが食べられないんですね、子供の頃から。ケチャップライスとかオムライスとかは全然問題ないんですけど、トマトを丸かじりするとかトマトジュースとかは、からっきし駄目なんです。こういう話をすると、トマトが大丈夫な人は、「夏場に冷えたトマトにかぶりつくあの無上の喜びが味わえないなんて」と憐憫を垂れて嘆息されるのかも知れませんが。

そういうわけで、誰か私の代わりに楽しんで頂けたら幸甚です。





 

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