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■ 3月31日から4月29日にかけて、時計をフィーチャーいたします。







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■ 大量生産できるモノではない、味がある個性的なビール作りを、と。

A:世界的にもそうだと思うんですけどね。大量生産のモノの時代から、クラフトの、手作りのモノを求める時代になってきた、と。アメリカでもビール・メーカーは約2500ありますけど、マーケットとしてアジアを、日本とかも、かなり見ていますよね。インポート(輸入)面でも、アメリカのビールって結構増えてきてるでしょ。


■ そうすると、日本の地ビール・メーカーも、その波を受けて変わってきたっていう感じなんですかね?

A:う~ん、まぁ、勉強はしてますけど、業界として未熟ですよね。まとまってロビー活動するとか、そういう団体も弱いし。少量生産のトコも大手ビール・メーカーも同じルールでやって行くしかないとなると、大量生産出来る大手が当然有利になる。ビールって(製造数量が)2000klって目安があるんですけど、そこ以上(2000kl以上製造しているメーカー)のモノしか大体一般の人に届かない。地ビールで言うと、銀河高原さんとか、よなよな(ヤッホー・ブルーイング)さんとかですね。その数量未満しか作ってないトコは、一般に流通するのは難しいですよね。


■ 結局資本が大きい会社しか残れない、という・・・

A:ビールの原料に関しても関税割当(かんぜいわりあて:特定の商品の輸入量を制限する通商政策。その商品を、ある水準以上の量を仕入れると高い関税を課せられる)ってあって、大手は申請して関税をかけずに原料を入手できる。けど、小さいメーカーだとそれができない。高い関税を払わないと、個性的な、本当の意味での地ビールが作れない、っていう。




■ で、小さい地ビール・メーカーが商品を作ってお客さんに届けようとすると、当然値段は高くなる、というわけなんですね。

A:だから生き残れるわけがないんですね。業界が未熟っていうのは、そういうところです。抜本的に変えないとどうしようもないですよね、これは。関わる業者も増えないし。あの、ビールの原料に関して言うと、日本にはインポーター(輸入会社)は1社しかないんです。


■ 1社! 独占状態じゃないですか。

A:だから競争なんか起きないでしょ。すると言われるままの値段で買うしかない。で、小さいメーカーがそこを頼らずに美味しいビールを作ろうと思うと、個人輸入するしかないですよね。そうすると、高い輸送料と関税を払わないといけない。そういう業界なんです。


■ 発展ってものが、縁遠い感じですよね(笑)。

A:ま、消費量とかも今の3倍くらいになれば、マーケットとして広がって、そうすると関わる業者も増えるでしょ? で、地ビールを専門に扱う酒屋さんとかも出て来るかもしれないけど・・・今のままだと物産展の1コーナーが関の山ですよね(笑)。


■ つまり、一般消費者に地ビールが届きにくいまま、という・・・でも、銀河高原さんとかは、それこそ全国で取り扱いがある地ビールなわけですけど、見えない圧力にも屈せず(笑)。それも資本の差だけなんでしょうかね?

A:勿論彼らの努力があったとは思いますけど、後はさっきも言ったように、時代の自然な流れじゃないですかね。大量生産のモノから、ちょっと高いけど手作りの、味のあるモノを求めるようになった。消費者のそういう動きがあると、スーパーの仕入れとかも変わりますから、で、そこでマッチしたという・・・そういうのがないと、先進国とは言えないですしね。韓国なんかだと日本より規制が厳しいから、なかなか伸びないけど(笑)。


■ なるほど(笑)。今後、日本の地ビールの方向性としては、どういう風になっていくとお考えですか?