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■ 5月31日から6月29日にかけて、平成の映画をフィーチャーします







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■ 御社には15人ほどおられるということですが、「倉敷意匠計画室」で取り扱う企画などは、その皆さんで民主主義的に話し合って決められるんですか?

T: 民主主義的ではないですね。だいたい私がこうしたいとか、こういうのを作ってみたいと思い立って、そこに付き合ってもらう感じです。


■ そうすると、ユーザーにとっては「倉敷意匠計画室」=田邉さんとなるわけですが・・・

T: いえいえ、会社を維持できているのは、私以外のスタッフの力です。ただ、何を作るかを決める部分においてのみは、私のわがままだけが「根拠」と言いましょうか・・・



■ 倉敷意匠計画室 手提げ小箱


■ 不謹慎な話ですが、たとえば明日いきなり田邉さんがいなくなったら、御社はどうなりますか?

T: どうもならないですね。勿論、物流だとかお店の運営だとかはそんなに支障がないと言うか、すぐに停止状態にはならないと思います。だけど新しく何かを作るとしたら、それは現在の「倉敷意匠計画室」とはまったく違うものになると思いますね。


■ まさに「有限」会社ですね(笑)。

T: 会社組織としては継続性がなくて、そこはアレなんですけど、個人的な志向をベースにした仕事というのは、そもそも次代に継ぐものでもないと思っています。たとえば、うちの商品ややり方に影響を受けた人がいたとしましょう。それでその人が新しいブランドを立ち上げるとか、うちにインスパイアされた形で何かを作り出すとか、そういうことがあるとしたら、そんなに嬉しいことはありません。


■ なるほど。でもそれは作り手の想いとも合致するところがあると思います。たとえば、伝統工芸など文化的に貴重なモノでも、後継者不足が問題視されています。でも騒ぐのは部外者で、作り手、当事者は、割とあっけらかんとしている例とかあるんですよ。

T: 難しいところで、勿論、モノの作り手の中には、経済的にも盤石で、全国で人気を博している方もいるんですが、どちらかというと、そうでない人が多い。唯一無二の良いモノを作れる個人作家さんだけど、経済的には不安定で、子や孫にはこんなことを継いで欲しくないとおっしゃる方もいるんです。先程の伝統工芸のお話にしても、後継者不足ということは、消費者がそこにお金を消費しない、消費しようとする人の絶対数が少ないってことでしょう?


■ まあ、そうですよね。お金になるんなら、当然、そこに老若を問わず、人は群がるはずですから。だから外野ってのは無責任なもんです(笑)。

T: やはりお金を払って頂かないと、なんですよね。工業製品にしたって、皆さん、工業製品と聞くと、全て機械任せで出来る大量生産品を思い浮かべるじゃないですか? そうじゃないモノも、いっぱいあるんです。職人のワザと機械がうまく絡み合って出来るようなモノもあって、それは個人が作る量よりかは多いけど、大量生産とまでは至らない。うちでは「中量生産」なんて言っているんですが、そういうモノはどうしても経費が掛かって、高くなっちゃうんですよ。でも、そこにお金を払って頂かないと、どんな良いモノでも作れなくなってしまう。



■ 倉敷意匠計画室 手提げ小箱


■ だから「継続」とか「継承」なんて、モノ作りのシーンではよく話題になるんですけど、資本主義の下では、半分は消費する側の責任でもあるんですよね、文化を継承できるかどうかというのは。「こっちはお金を払う側だぞ」なんて言う人もいますけど、作り手だってお金を掛けて作るわけですから。日本人はそこに対して、つまり自分の消費が何に影響するのかについて、あまりにも無関心だなと感じることはあります。

T: そもそもモノが作られる背景とか作り手の気持ちとかには、全く興味がない人もいますからね。どんなに説明しても、どんなに発信しても絶対に届かない層はある。そこは仕方ないんですけどね。



■ 倉敷意匠計画室+野田琺瑯 水切りかご・トレイ・箸立てセット