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■ 11月30日から12月30日にかけて、「2022年のポップス」をフィーチャーいたします。







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■ 主題の、2015年のポップスについてですが、MOMAさんは、個人的に何かトピックはありましたか?

M: 今年ですか? サイトを始めて以来、一番トピックがない年ですね(笑)。さっき言った、ミスチルの最新作『REFLECTION』(23曲入り)なんかはトピックかも知れませんね。USBで、ポップスをハイレゾで聴くというのを提示したわけですから。


■ ハイレゾはいかがでした?

M: 正直、そんなに分からなかったです。作り手は、本来のあるべき音を、そのままリスナーに提示できるから良いでしょうけど、個人的には、有難みが分からなかったというか、オーディオ・マニア向けかな、と(笑)。だからCD2枚組で出してくれたら良かったのに、と思いました。でもローレゾというか、圧縮された音源にも抵抗はあるんですけどね。


■ 2015年の個人的名盤は?

M: いくつかありますけど、ねごとの『VISION』ですかね。これまでの彼女たちの作品は、どこか不安要素がありましたが、今作は良いなと。充実していて、これからの成長を感じさせる、ねごとのこれからにも期待できる名盤だと思います。ただ、あまり売れていないようなのが不安です(笑)。


ねごと 3rd ALBUM「VISION」 -digest- edited by Mizuki Masuda

■ 全体的に若手が売れていない感はありますよね、今って。

M: CDを買う習慣がある年代層、つまり30代以上に支持されている、ミスチルやサザンしか売れないという・・・致命的なのは、今の若手は曲が一般に浸透していないんですよね。名前がある程度浸透しても、世間に認知されている代表曲というものが、なかなか生まれない。今はテレビの歌番組も、懐古主義的になっていますけど、10年後、今の若手がそこへ呼ばれることがあるかと言えば、たぶんないでしょうし。だからゲスの極み乙女。なんかは、今年の紅白出場で、どこまで浸透するかですよね。


■ ゲス極も、動画の再生回数は結構あるんですけどね・・・

M: ネットだと見たい人しか見ないわけですから、そこはやっぱりテレビの力が、まだまだあると思います。興味のない人にも興味を持たせる、という。


■ そうすると、全体的に、若手が冷遇されている感が・・・

M: そうですね。クレジットとか見ると、大原櫻子とかは比較的プロダクションにカネ掛かってんな、と思いますけど、家入レオなんか、オケはほとんど打ち込みでアレンジャーしか参加していない。これ、生のドラマーを呼んでやってよ、という曲もあるわけで、せっかく歌手としてはどんどん良くなって来ているんだから、彼女にはもうちょっとカネ掛けてあげて欲しいですね。音楽プロデューサーの佐久間正英さんが生前おっしゃっていましたけど、予算が無くて良い音楽が創れなくなるというのが、若手には顕著な気がします。


家入レオ 3rd ALBUM 『20』

■ ああ、おっしゃっていましたね。もうメーカー側に、有望な若手をちゃんと育てようという余裕がないんでしょうかね?

M: そこは判らないですけど、でもこういうのって、どの業界でもそうじゃないですか? 大御所やベテランがいつまでも君臨して、若手が伸びてこない。お笑いとかあまり詳しくはないですけど、とんねるずやダウンタウンは、20代の頃からレギュラー番組を持っていて、20年以上ずっとそのポジションにいますが、その後に誰かそこまでのポジションになれたかというと、そうではない、みたいな。


■ 未だにお笑いBIG3といえば、さんま、タモリ、たけしですからね。10代や20代のお笑いスターは、実質いない。

M: だから全体的に寿命が延びているというか、高齢化しているんでしょう。ポップスも同様で、それは構造的な問題ですよね。そもそも今って、30代の人でも若手扱いされたりしますから(笑)。さっきのねごとのアルバムみたいに、若手の作品にも、クオリティが高いものは確かにあるわけで、若手が全体的にダメだとかではないと思います。リスナーが高齢化して、「今の若い者は」ってなっているのかも知れません。


インタビューと文: 三坂陽平