■ 「そのみつ」の進撃は計算や打算ではなく、どうしたいのか、っていうところから・・・?
S: まず行動をして、ってトコですね、うん。無知な部分が多かったんで・・・まぁ今でも多いけど。無知だから出来ることってあるじゃないですか?
■ ありますね。
S: だから「自分が作ったモノ」をどうしたいのか、っていう想いがないと。お金は後から付いてくるっていう感じで・・・お金を考えて行動はしてなかったね、その当初は。
■ アクションを起こして、そこからお金のことはどうにかする、という?
S: まぁ、何とかなるよ(笑)、何とかするよ、って。それは、材料屋さんとかの信用が多少なりともついてたから出来たのかも知れないけど。その頃はそんな・・・計算高く考えてやるっていう発想がなかったから。
■ 何がそこまで園田さんをドライヴ(突き動か)していたんですかね?
S: まず(やりたいことを)やるって想いと、あとは何となく変えたいとかそういう発想・・・ですね、何か物事を最初に動かすのは。だから、靴も作るけど店も作るし工房も作るし・・・いろんなモノを「作る」っていうのが今の(「そのみつ」の)状態。
■ 本筋からはちょっと逸れるんですけど、「そのみつ」ではずっとお客さんの足を見て来たわけじゃないですか、足に合わせて靴を作ってきたんですから。日本人の足における変化など感じられる所がありましたら、教えて下さい。
S: あぁ・・・最近は慣れて来たからアレだけど、やっぱり(若い人たちは)カカトが小っちゃくなって指幅が広くなったっていうのは、最初はよく感じた。今のお客さんの30代の人達は、もうそういう感じ。要はアレよ。「E.T.」、わかります?
■ S・スピルバーグが監督したSF映画の・・・
S:あんな感じ。あんな感じの足が多くなってますよ。
■ (笑)ご年配の方だとそうではない?
S: カカトがズシンとしてるし。で、また年齢とるとどうしても体重を支えるのに足がガッと大きくなるから、っていうのもあるけど、しっかりされてる。
■ 若くなるにつれて、足としてはしっかりしてなくなる、と。
S: しっかりしていないというか、カカトが細くなるというか・・・「なんでだろうねえ」って前よく靴のジャーナリストの人達と話してたけど。「やっぱり重い物を持たなくなったからじゃない?」とか「やっぱり歩かなくなったからじゃない?」って云ってる人たちは結構いた。
■ 足としての基礎体力が下がって来てる感じなんですかね?
S: それでたぶん生活ができるから、今は。だって(昔ほど)歩かないし、重たい物を持たないでしょ。