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■ 3月31日から4月29日にかけて、時計をフィーチャーいたします。







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■ 確かにそれがないと、発展なんかもないでしょうしね。そして、2012年に安田さんは帰国されたわけですが、長野県諏訪市に拠点を置いて、今もそこを中心に活動されているんですよね?

Y: はい。


■ そこを選ばれたのは、自転車作りにとって良い町だから、とか?

Y: ・・・まず、イタリアでね、何がおどろいたって、農業・工業・観光、この三つのバランスが取れているということ。それはどの町も大抵そう。日本だと、中心である東京を目指して、地方も、それこそ画一的に発展しようとして、で、失敗して過疎化とかあるわけですよね。それがイタリアには、ほとんどない。


■ 大都市と田舎、の二極化ではなく、中規模の町があちこちに点在しているっていう感じですよね?

Y: そう。で、町ごとに特色がある。だから観光地としてどの町も成立する。それでいて、どこもさっき言った三つのバランスがすごく取れている、と。


■ 日本だと、京都なんかでも、一部地域以外はビル群なわけですからね。もっと町ごとの「色」があってもいいはずなのに。

Y: それに特化すればいいんですけどね。だから、地方に仕事がないなんて、ウソだと思いますよ。日本でも、地方だからこそできることっていっぱいある。


■ ただ、発展の仕方、その発想が画一的だから、そうすると都会には勝てなくて、過疎になる・・・と。

Y: でね、日本では奇跡的なことだと思うんですけど、長野県ってその三つのバランスが取れているわけです。温泉地がいっぱいあるから、観光資源もある。リンゴを主軸とした農業も健在。あちこちに小さな工房とかもあって。で、内部の人間にはすごくフレンドリーなんですよ。(長野に)来た時、イタリアみたいだと思いましたもん。居心地いいわー、って。


■ その要因って、なんなんだと思います?

Y: ・・・まずね、長野って独特で、ほとんどが県内で済んじゃうんですよ。閉鎖的、というのではないと思うけど。県外との交流もそれなりにあるし。でも、ほとんどのことを県内で回しちゃうんです。それゆえに独自の文化が守られた、ってとこもあるんじゃないですか? イタリアの人たちも、基本的には排他的ですからね。だから都会に、たとえば東京なんかにね、魅力を感じないですもん。タダで東京のアパート貸してやる、って言われたって、いや、いらんわ、って。