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■ 2月29日から3月30日にかけて、文房具をフィーチャーいたします。







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「面白いデータがあって、コンビニの一角にマンガ売場があるじゃないですか。コンビニでのマンガの売上げが上がってるのって、世界中でほぼ日本だけなんですよ」


■え、そうなんですか? ていうか、海外のコンビニにもマンガ売場ってあるんですか?

「あるのに、なんですよ。で、あそこで買うのって、「コレを買う」って明確な目的があって買い物に来る人って少ないでしょ。なんとなく、ゆるい動機で買いますよね」


■あの低価格で傷みやすい本ですよね(笑)。

「なんとなく、っていうのがポイントなんですよ。それこそ空気や水と同じように、我々の生活の一部にマンガが溶け込んでいる。海外だとそれはまだない」


■売上げが上向きなのが日本だけってことは、そういうことなんでしょうね。

「最近だとゆるキャラとか色々繁盛していますけど、ああいう「キャラクター」というのがビジネスとしてこれほど成長したり広く受け容れられたりする文化があるのも、ほとんど日本だけです。海外の玩具屋さんにあるキャラクター・グッズでメインに陳列されるのは、ディズニーか日本のマンガのキャラクターなんですよ。海外の多くの国では、自国のキャラがなかなか育たない」


■つまり、キャラクターを求める姿勢が日本ほど無い、と?

「無いですよね。これだけキャラクターが乱立しているのは、海外から見るとむしろ日本が異常なんですよ。日本の、キャラクターが身の回りにこんなにたくさん居るのに違和感を覚えない社会性とかも、マンガが我々の無意識にまで浸透してるって考えられますね」


■海外だと、やっぱりマンガは一般的ではありませんか?

「一般的ではないです、日本のようにはね。よく日本のマンガが海外で人気だと云われますけど、あくまで一部の層が支持しているに過ぎない。ただ、その一部の層が広まって来てはいますけどね、着実に」


■広まって来ていますか。

「広まってます。例えば、ほんの15年前まで少女マンガの登場人物たちを見て、「何で日本のマンガなのに金髪なんだ」と質問する留学生もいましたが、今は通じますからね。あるいは、「ガーン」とかいうマンガ的な擬音語を使う海外の人も増えてきました(笑)。あの、そんな感じで聴覚的な情報を視覚に表すと、つまり文字にしたりすると、私たちがマンガから受けてる影響がどれだけ強いかって、よく分かりますよ」


■人を殴る時の音を、「ボカッ」とかで表現しますもんね。

「そうそう。実際にはボカッなんて音は別にしてないのに、っていう」