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編集余談

3月24日、京都府亀岡市議会はプラスチック製レジ袋の提供を禁止する条例を全会一致で可決した。

同日の日本経済新聞によると「プラスチック製レジ袋の提供を小売店で禁止する全国初となる条例が(略)成立した。2021年1月1日に施行する(略)スーパーやコンビニなど市内の小売店約760店舗が対象となる。紙や生分解性プラスチックなどのレジ袋についても無償提供を禁止する。違反した場合は指導勧告のうえ、改善がなければ事業者名を公表する」とのこと。

それがどうした、しょせん京都の、それも京都市でもなんでもないような地方都市のちょっとしたニュースじゃないか、と思われるかもしれない。出来れば私もそれで済ませたい。私は大阪の人間で、京都の人間ではないから。しかしこれを「対岸の火事」で済ませるわけにはいかない事情もある。

そもそも、おおかたの人には「亀岡市って具体的にどこ?」だと思う。まずはそこからである。亀岡市とは、簡単に言えば「京都市と隣接していて、大阪の高槻や茨木とも隣接している町」である。つまり大阪と京都の境界にある町。高槻や茨木というのは北摂地域で、要するに「大阪北部」である。そして私はそこに住んでいる。だから決して対岸の火事ではないのである。

県と県との境界あたりにお住まいの方には先刻ご承知のように、その辺に住む人の生活圏内は、二つの県にまたがることが多い。たとえば、兵庫県尼崎市は「兵庫と大阪の境にあるような町」であるが、ここの住人の生活圏は同市のみならず大阪も含む。もちろん、それが悪いというわけではない。

亀岡市も同様である。そこの住人には、通勤、通学などで大阪北部に通う人も数多くいるし、買い物やレジャーなどで大阪に足を運ぶ人も多かろうと思う。繰り返しになるが、それが悪いと言っているわけではない。ただ、問題はこの隣接性にあるのである。

亀岡市では、表向きは「環境保全のため」にレジ袋配布を禁止する。私はそれを「バカの町はやだねぇ」と思うが、そうかと言って私は亀岡市民ではないので、その条例から直截的に被害は受けることはない。しかし、日常的に県境をまたいで大阪北部に来ている亀岡市民にしてみたらどうだろう? いや、大阪でなくてもいい。隣の京都市や南丹市(いずれも京都府)を生活圏とする亀岡市民も同様である。彼らにはいくらでもレジ袋をGET出来る機会はあるのである。なにしろ彼らの生活圏は「亀岡市ではない」のだから。

以前から私は「ゴミが問題なら町中にゴミ箱を増やせ」と言っている。それが先決だろうと。ダイオキシンが身体に毒だという説がデマゴギーであることはもう明らかになっている。それならプラスチックごみなど、こまめに回収して片っ端から高熱で燃やせば済む話であろう。

ゴミ箱が町の中にまんべんなくあって、それでもなおゴミのポイ捨てが頻繁に起こる。それならポイ捨てを厳罰化すればいいじゃないかと思う。実際、アメリカや香港などの諸外国ではそうしている。亀岡市は観光都市で、諸外国から観光客を積極的に呼び込みたいというなら、それはそれでいいと思う。ただ、それならまずはゴミ箱を(諸外国並みに)町中にまんべんなく設置することが第一なんじゃないのか?

廃油を使って作られることが多いレジ袋は、むしろムダを減らすために作られたもので、レジ袋自体にはこれといった罪や問題はない。だからレジ袋の有償化を言う環境省や、レジ袋配布を禁止する亀岡市は、建設的に物事を考えられないバカか、考えられるけどそれを実行できない低能か、どちらかであろうと私は愚考する。

もちろん、バカはバカで自生していればいい。その権利はある。しかしバカは往々にして自分を疑うということをしないので、彼らは「おれたちは正しいのだ、諸君も正しいおれたちの真似をしろ」とか言ってきたりもする。要するに「バカとの同一化」を促してくる。これを「悪貨、良貨を駆逐する」という。アメリカ発のグローバリズムなんかはその典型例である。

具体的に言えば、亀岡市は周囲の町に「おれたちゃ環境のためにレジ袋を禁止してんだぞ。なのになんでおまえらはそれをしない? こんなの意味ないじゃないか。おまえらもレジ袋を禁止せんかい」と言ってくる危険性があるということである。もちろん、これは内政干渉である。しかしバカは「環境のため」という錦の御旗があれば何をしてもいいと思い込むので、そういう道理は通じない可能性がある━━「無理が通れば道理引っ込む」である。

たとえば、あなたの隣に住んでいる一家の息子が大きくなって立派なDQNに育っていて、あなたの家に何するかわからないとなればどうだろう? 多少は「やだなぁ」と思わないだろうか? 私の抱える危機感はそれに近い。だから決して対岸の火事ではないと前言した。

日経によれば、亀岡市長は「この豊かな自然を次代に残さねばならない(略)環境先進都市になれば移住者の増加や事業所の移転も見込める」と述べたという。なるほどね。私個人は、あんたの町のような「行政官が市民を強く締め付ける町」には住みたくもないし、そこで商いをしたいとも全く思わないです。あくまで、隣町の一市民による個人的な見解に過ぎませんがね。


(三坂陽平)