シンプルに言うと、薄くて軽い包丁なので、腕力や握力に自信がちょっと無いなんていう方でも気軽に料理に親しめる。非金属なので、金属臭が食材に移る心配もないし、錆びたり酸でやられたりすることもない。つまり、セラミックの包丁は、手軽かつ気軽に料理が出来る、その点において有用なのは確かだ。
セラミック包丁の大家(たいか)と言えば、京セラだろう。台所用品の会社としてのみならず、合成宝石メーカーとしても名高い同社だが、なるほど、ジルコニアは宝飾品などにも用いられるから、彼らがセラミック包丁を展開するのには合点がいく。しかし、いかんせん同社の通常シリーズは中国製である。まあ、だからこそ数千円で買えたりするわけだけど。
京セラの日本製の包丁を、となると、上位シリーズである「ファインプレミア エクセレント」になる。何だか高級そうな形容詞をふんだんに盛り込んだだけ、と思えなくもないが、セラミックとは元々意味するところは陶器なので、硬い食材(かぼちゃなど)に弱い。その点、強度が通常シリーズより20%UPした本シリーズは、ユーザーにとっていくらか心強いだろう。
「ファインプレミア エクセレント セラミックナイフ(14 cm)」
型番: FKR-140-FPE / 刃渡り: 140 mm
本体重量: 約90 g / 価格: 税抜17,000円
とはいうものの、セラミック包丁であることに変わりはなく、それはつまり従来の研ぎが通用せず、研ぎ直そうと思ったら「ダイヤモンド・シャープナー」と呼ばれる専用のマシンが別に要るということ。コスト・パフォーマンスを考えると、ややおすすめはしにくいか。