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『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』
『名探偵コナン』を観るなら、この作品は外せない!

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高校生探偵がわけあってメガネをかけた小学一年生となり、大人顔負けの推理を展開し数々の難事件を解決してゆくアニメ・・・とくれば、ご存知『名探偵コナン』の登場だ。1997年以降毎年新作映画が公開されている本作だが、今回はその記念すべき第1作目『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』をオススメしよう。

あらすじはいたってシンプル。高校生探偵・工藤新一こと江戸川コナンは、とある放火事件をニュースで知り、その事件が自身(新一)への挑戦状である旨を告げる電話を受ける。その犯人による次の事件を未然に防ぐべく東奔西走しながら、犯人は誰なのか、なぜ自分に挑戦してくるのか、持ち前の推理力で推理してゆく・・・という物語だ。

まず、何をおいても重要なのは、劇場用アニメだからといって原作の基本姿勢である「ラブコメ推理マンガ」から、全くブレていないという点である。ある事件をひもといていきながら、主人公・工藤新一とヒロインである毛利蘭との恋愛模様を丁寧に描いてゆく。この点において、他のどの劇場作品よりも優れているのが、まずひとつ。

次に、容疑者にドラマがある、という側面がある。ただ単にドラマの筋書き上の都合で容疑者としてガン首を揃えて、その中から何となく犯人にされたのではない。れっきとした理由を持った上で犯罪に走り、道徳や社会性を見失った人間の狂気。あまり詳しくは言えないものの、それが丹念に描かれているのも、印象深い。恐らく、ファンの中で最も人気がある犯人ではないだろうか?

そして、劇場版ならではのダイナミズムだ。『名探偵コナン』といえば、殺人事件が多いのが印象的だが、この事件の犯人は明確には殺人を犯していない。展開されるのは無差別爆弾テロである。冷徹でいながら狂人めいた犯人の側面を表すような、非道かつスケールの大きい事件は、映画作品として見ごたえ十分である。


ちなみに終盤の主人公とヒロインのラブコメ・シーンは、作者の青山剛昌いわく「(作者の処女連載作である)『まじっく快斗』のころからやろうと思ってた」という、いわばとっておきのシーンだそう。確かに全劇場作品中もっともロマンティックなシーンかも知れない。が、ここではネタバレになるので、あまり詳細は触れないでおきたい。

しかし余談ではあるが、「見た目は子供、頭脳は大人」というこのアニメのキャッチ・フレーズ。高校生も小学生も、大人からすればどっちも子供にしか思えないのだが・・・(笑)


作品情報

・監督: こだま兼嗣
・脚本: 古内一成
・原作: 青山剛昌
・配給: 東宝
・公開: 1997年4月19日
・上映時間: 95分







 

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