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『孫』
サクランボ農園経営者が唄う、孫への普遍的愛情

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日本の演歌業界が抱える問題のひとつに、ユーザーの超高齢化が挙げられる。若い人に演歌が浸透しないばかりか、今の30~40代のアダルト層も、演歌を聴かずポップス等を聴くに「留まる」傾向にあるから、だそうだ。つまりは、演歌ファンの割合は、若年層に全くいないと言うことはないが、老齢人口が圧倒的に多いということだ。


『孫 大泉逸郎ふるさと・祝い唄』
2000年3月23日 発売
テイチクエンタテインメント

1. 孫
2. 晴れ姿
3. 祝いしぐれ
4. 祝い酒
5. 嫁ぐ娘に
6. 祝い船
7. 寿酒
8. 親ごころ
9. 孫-女の子バージョン-
10. 雪の最上川
11. 達者でナ
12. りんご村から
13. 紅の舟唄
14. おさげと花と地蔵さんと
15. 北国の春
16. べにばな

そんな割合を逆手にとったかのような演歌楽曲が、20世紀末の日本、100万枚を突破するくらいの大ヒットをカマしたのを覚えているだろうか。そう、あの、大泉逸郎の『孫』の大ヒットを。

孫、つまりは子供の子供。早い人なら30代で「孫」を持つことになるものの、おおかたの日本人は、50代以降に孫を持つだろう。

歌の中では、初めての孫(男の子)に対する愛情が唄われるが、その感情の日本における普遍性が、そのままこの歌の特大ヒットの根拠の1つと言えよう。ポップス・演歌においては、その歌詞が多くの人に共感を呼ばなければ、ビッグ・セールスはなかなか成り立ち得ないからだ。ちなみに、大泉のアルバムの方には、女の子の孫への歌『孫 ~女の子バージョン~』も収録されている。

もともとは山形県のサクランボ農園経営者である大泉が、初孫が出来た記念に自主プレス盤として1994年にリリースしたものであったが、ローカル的な人気を博し、5年後の1999年、メジャー・レコード会社から公式に全国リリース。徐々に浸透し、翌2000年2月にはセールスが100万枚を突破。同年の年間オリコンチャートで11位を記録するなど、近年の演歌業界においては類まれなるスマッシュ・ヒットとなったのである。

なお、『孫』を再生して、その冒頭に子供の声が聴こえるが、これは実際の大泉の孫の声を録音したもの。


作品情報

・作詞:荒木良治
・作曲:大泉逸郎
・歌唱:大泉逸郎
・発表:1999年4月21日
・レーベル:テイチクエンタテインメント








 

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