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『セレナーデ』
黒人歌手・ジェロと玉置浩二のタッグを、演歌仕立てで

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このところ、玉置浩二がやけに目につく。別にイヤな意味ではなくて、本当に活発に活動しているなぁ、と、色々なメディアを見て思う。年末の「FNS歌謡祭2012」や年始の「新堂本兄弟」(共にフジテレビ系列)などでは相変わらずな多才ぶりを見せてくれたものだし、「ローリング・ストーン誌」日本版の3月号(2013年)では、上半身ハダカでその表紙を飾ったりしていた。

彼のミュージシャンシップは、いささか現在の日本の歌謡界で過小評価されているのではないか、とも思えるのだが、ともあれ楽曲制作の方も、活発に行なっており、そのクオリティも充実している。それを窺い知れるのが、黒人演歌歌手・ジェロの2013年目下のところの最新シングル『セレナーデ』だ。


作曲はもちろん、玉置浩二。作詞は、こちらも玉置浩二の代表曲『田園』などでお馴染み、須藤晃。このゴールデン・コンビが、ジェロの新しくも親しみがある魅力を存分に引き出す『セレナーデ』を手掛けている。

というのも、一聴してみるだけで、「あ、玉置浩二の曲だ」と思わせてしまうものがあるのだ。メロディなのか、それとも唄いまわしなのか、とにもかくにも独特なタッチが表層化している。そしてそれを適切にものにしているジェロ。それは前年までのジェロの演歌楽曲からは見えてこなかった、或いは潜在していた魅力とも表現し得ようか。

歌謡曲において重要な点だが、サビが良い。サビが良い意味でクドい。「日本の演歌」というフィールドにマッチした風情を、実に適切に、且つディープに、ディスプレイしている。

玉置浩二と言えばその出自にムーディーな楽曲スタイルを思わせるが、そういった原点を思わせるタイプの楽曲でもあり、ジェロに関心がない、若しくは演歌に関心がないという人でも聴きやすい仕上がりとなっている。

『セレナーデ』、いわゆる小夜曲。恋しいだれかを想う気持ちを歌にするのは、音楽の基本中の基本。2013年、ジェロと玉置浩二のタッグが紡ぎだしたセレナーデに、心を重ね、ささやかに酔いたい。


作品情報

・作詞:須藤晃
・作曲:玉置浩二
・歌唱:ジェロ
・発表:2013年2月20日
・レーベル:ビクターエンタテインメント







 

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