トミー・アイス・クリーム・ヘヴン・フォーエヴァー
スランプから出でる、女性のリアルなせつなさ
2013年6月、ザ・ブリリアント・グリーンのヴォーカリスト・川瀬智子のソロ・プロジェクトのひとつ、トミー・フェブラリーがニュー・アルバムをリリース。しかし、もうひとつのソロ・プロジェクトであるトミー・ヘヴンリーのアルバム制作は難航。同年出演したハロウィン・ライヴ・イヴェントでも、彼女はスランプ状態を告白していた。
自らを「ティーンエイジ・コンプレックス」と称する川瀬が展開する2つのプロジェクト。フェブラリーはドリーミーなポップスを、ヘヴンリーはダークなロック・スタイルを、それぞれテーマにしていた。
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TOMMY ♡ ICE CREAM HEAVEN ♡ FOREVER
2013年11月27日発売
Warner Music Japan
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01. -Intro- CUPCAKE CASTLE 【Dark Sugar Storm】
02. I WANT YOUR BLOOD†
03. LET ME SCREAM
04. LOVIN' YOU
05. FOREVER AND ANYWHERE
06. Can you hear me?
07. -Intro- CUPCAKE CASTLE 【Sugar Snow】
08. RUBY EYES
09. Ash Like Snow (English Version)
10. MILK TEA
11. -Intro- Gelato Mountains Fight
12. ICE CREAM HEAVEN FOREVER
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結果的には、スランプ状態が功を奏したのかも知れない。出来上がったヘヴンリーのアルバム『トミー・アイス・クリーム・ヘヴン・フォーエヴァー』は、これまでのヘヴンリー作品の特色であった、「女の子のダークな一面」をクローズアップしたもののみならず、全面的に、女性のリアルなせつなさや感傷を感じさせる、ヘヴンリーの新しい一面をあらわしている。
思えば、6月に出たフェブラリーのアルバムも、世界観というところでは、どこかヘヴンリーに寄っていた。夢想気味な女の子が、自分のダークさを利用しているというか、取り込んでいるというか。曲自体はダンス・ポップなのに、歌詞が闇を抱えていた。
そうすると、ヘヴンリーの『トミー・アイス・クリーム・ヘヴン・フォーエヴァー』も、ある意味では、フェブラリー的側面を持ちはじめているのかも知れない。むろん、表現活動においては、スランプを越え、そこから生じたモノというところでも、これまでと違うヘヴンリーの一面の登場は、必然だったのだろう。
決して、今の自分や自身の環境に満足できていない女性のフラストレーション、破壊願望、嫌悪感、だけどどうしようもない諦めなど、胸をしめつけられる寂しさは、音楽のジャンルを越えて、聴く者に届く。
なお、PVでは、アクセサリー・ブランドのQ-potとのコラボレーションが実現し、「おばけちゃん」なるキャラクターも登場。「ヴィジュアルと音楽を、あわせて楽しむ」という、トミー・クオリティは健在だ。
Beef Chicken Pork
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