Beef Chicken Pork
マンウィズにおける「世界共通の名刺」
ここ数年の、オリコンの年間CD売り上げランキングを見てみると、ひどくアイドルしか売れていないということがわかる。複数商法などもあるので、一概にはいえないが、これはバンドが売れない、と、言っていいのではないだろうか。つまり、国内にはバンドの需要がない、と。
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Beef Chicken Pork
2014年2月12日発売
MAN WITH A MISSION
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01. distance (ENG Ver.)
02. Get Off of My Way (ENG Ver.)
03. HASTA LA VISTA
04. Smells Like Teen Spirit (Nirvana)
05. FLY AGAIN
06. Mash Up The DJ!
07. Take What U Want
08. NEVER FXXKIN' MIND THE RULES (ENG Ver.)
09. Bubble of Life
10. colours
11. DON'T LOSE YOURSELF (ENG Ver.)
12. TAKE ME HOME
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では、バンドマンたちは、どうするのか? そう、国内需要が頭打ちならば、いっそ日本なんて見切りをつけて、海外に活路を見出せばいいのだ。最近では、メジャー・デビューよりも先に海外ツアーをおこなうバンドも、大して珍しくない。
マン・ウィズ・ア・ミッション、略してマンウィズ。彼らもまた、メジャー・デビュー後ではあるが、海外展開をもくろむ若手バンドだ。全日本CDショップ店員組合によるCDショップ大賞を、2年連続で受賞するなど、国内で一定の評価を叩き出し、数度の海外ライヴを成功させた彼らは、2013年、世界的なネットワークをほこるソニーへと移籍。年は明けて2014年2月、世界を射程に入れた、英詞の曲をコンパイルしたコンビレーション・アルバム『ビーフ チキン ポーク』をリリースした。新曲はないが、かつて日本語で発表した曲の英語ヴァージョンもあり、マンウィズにおける「世界共通の名刺」たりえる内容となっている。
彼らの何が特徴といって、まず、頭部がオオカミ。オオカミバンドの別名をとるほど、ジャケットから演奏時まで、徹底的に、非人間的なヴィジュアルだ。それに関しては、公式設定もあるのだが、めんどうなので、ここはスルー。ただ、それに則して、メンバーの国籍・年齢などはいっさい不明となっている。なんだか、ひと昔前のヴィジュアル系バンドみたいだ。
そして、間口の広い、そのミクスチャー・ロックだ。マンウィズはユーモアたっぷりにステージ上でおどけたりするが、奏でる音楽は、海外にも引けをとらない、クオリティが高く、マニアックではないロック・ミュージック。今回のアルバムは英詞ばかりだが、むしろ、本格的過ぎて、日本語のほうが似合わない。
2011年メジャー・デビューの、若手有望株、マンウィズ。肉食の彼らが、世界に牙をむくこのアルバムは、繰り返しになるが、マンウィズにおける「世界共通の名刺」。受け取るか、受け取らないかは、もちろんあなた次第だが・・・
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