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■ 2月29日から3月30日にかけて、文房具をフィーチャーいたします。







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『EPIC DAY』
昭和ハード・ロック同好会としてのB’zの極致

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B’zの19枚目のアルバム、『EPIC DAY』。オリジナル・アルバムとしては、前作の『C’mon』(2011年7月27日発売)以来、実に約4年ぶりとなる。販売形態は、「CD+オリジナル・ライヴ・グッズ」の完全生産限定盤、1989年以来となるアナログ・レコード盤、CDのみの通常盤、そして2012年10月25日に大阪城ホールで行われたライヴ映像を19曲分収録したDVDが付属する初回限定盤の、計4パターン。


EPIC DAY
2015年3月4日発売

VERMILLION RECORDS

SIDE A
01. Las Vegas
02. 有頂天
03. Exit To The Sun
04. NO EXCUSE
05. アマリニモ
SIDE B
06. EPIC DAY
07. Classmate
08. Black Coffee
09. 君を気にしない日など
10. Man Of The Match


青い下線は執筆者推薦曲を表しています。

全作詞: 稲葉浩志
全作曲: 松本孝弘
編曲: 大賀好修 (#1, 2, 4~6, 8, 10)
編曲: 寺地秀行 (#1, 2, 3, 7, 9)
プロデュース: 松本孝弘

DVD収録内容:
1 Love Bomb 2 GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-
3 Ultra Soul 4 Splash 5 Brighter Day
6 Easy Come, Easy Go! 7 MOTEL
8 もう一度キスしたかった 9 愛しい人よGood Night...
10 ZERO 11 ミエナイチカラ ~INVISIBLE ONE~
12 ねがい 13 Into Free -Dangan- 14 Juice
15 IT'S SHOWTIME!! 16 衝動 Encore 17 Home
18 HEAT 19 BLOWIN'
オリコン・チャートでは週間1位を獲得。チャート上に23回登場し、オリコン上半期ランキングにおける累計売上枚数は、推定287,308枚。前作『C’mon』が、CD+DVDかCDのみの通常盤という形態で357,981枚(2011年9月5日付)を売り上げた事を考えると、大幅に売上はダウンしている。

内容を聴いてみると売上ダウンも納得の、ヒット性無視、とにかくファン向けのハード・ロック、メタル満載である。バラードもあるにはあるが、おそらくファン以外が食いつく要素は、ほぼないと見込まれるもの。これまで編曲を担ってきた寺地秀行を抑えて、大賀好修が大半の曲を編曲している為か、どの曲も良いポイントはあるのだが、練り込みが足りないというか、訴求力が薄い印象だ。

B’zの2人の共通項にあるのは’70年代、’80年代のハード・ロックだが、包み隠さず、それを全面的に打ち出している。タイトル・ソングの「EPIC DAY」など、ディープ・パープルの様式美の世界をまんま再現している(ドラムは現代的なパターンではあるけど)。これが現代の日本のポップスで、しかもその最前線で展開されるのは、ある意味では痛快ではあるし、「昭和のハード・ロック」同好会としてのB’zの最高到達地点ではあるのだけど、売上枚数が語るように、国内ではそんなに需要はなかったと目される。


もっとも、初回盤のDVDに収められているライヴは、2012年の米国ツアーの凱旋公演とだけあって、グレイテスト・ヒッツ的なセット・リストになっているので(一部の楽曲は、海外公演に向けて英語化されているが)、ヒット性のあるB’z、巷に知られている曲としてのB’zを求める層は、DVDの方を重視すれば良いのかも知れない。2015年現在、このDVDは単独でリリースされたりはしていないので。


B'z Official Website







 

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吉井和哉の成熟と回帰を伝える1枚