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■ 10月31日から11月29日にかけて、「〇〇年代のアニメ映画」をフィーチャーします。







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HEAVY GAUGE
GLAYの、正念場に際する精神

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おそらく、GLAYが初めてであろう。みずから「ヴィジュアル系」を標榜して、表舞台に出てきたバンドは。そして、彼らは「ヴィジュアル系」というジャンルに属するものたちの中で、一番ポピュラリティを確立したバンドでもある。

1999年7月、彼らは通称「20万人ライヴ」と呼ばれるイヴェントを開催した。それは前代未聞であり、いまだ有料ライヴの動員数としては、金字塔である。お金を払って、真夏の暑さと湿気のさなか、ひとつの場所に、彼らの音楽を目指して集結する人が20万人もいた、ということだ。それは、バンド少年としての、彼らの長年の夢でもあったという。

では、その夢がかなえば人は満たされるのか、というと、そうでもないらしい。メンバーのジロウは「終わった後、バスの中でみんなひと言も話さなかった。「終わっちゃったんだ」という空気だった」と、当時を述懐するが、当時の彼らは、夢の向こうにあった「空虚」と対峙せざるをえなかったのではないか。

HEAVY GAUGE
1999年10月20日発売

PONY CANYON
価格: 税込3,059円

01. HEAVY GAUGE
02. FATSOUNDS
03. SURVIVAL (Album Version)
04. ここではない,どこかへ (Album Version)
05. HAPPINESS
06. summer FM (Album Version)
07. LEVEL DEVIL
08. BE WITH YOU (Album Version)
09. Winter,again (Album Version)
10. Will Be King
11. 生きがい
12. Savile Row ~サヴィル ロウ 3番地~



全作詞・作曲: TAKURO
プロデュース: 佐久間正英


その3か月後、GLAYは『ヘヴィー・ゲージ』というアルバムを発表した。当時、彼らは時代の寵児だった。前年に出したシングル「誘惑」は、オリコン年間チャート1位となり、その「誘惑」を収録して発表したアルバム『ピュア・ソウル』は、200万枚以上売り上げた。本屋で雑誌コーナーへいけば、ほとんどが彼らを表紙にしていた。『ヘヴィー・ゲージ』も、200万枚以上の売り上げを記録した。

『ヘヴィー・ゲージ』には、前述の「空虚」に、そして自分たちに向けられた世間の耳目に処する彼らの精神が、みごとに刻まれている。ヒット・シングルにもなった「ビー・ウィズ・ユー」に際して、テルは「『ハウエヴァー』で注目されて、聴いてくれる人たちが増え、プレッシャーがのしかかった時代」と、振り返る。

「ファットサウンズ」では、高速BPMに乗せて「♪新記録 戦略好きだな 哀れなバンドマン」と唄われたりするが、そういった葛藤などは、むしろ表面的なものに過ぎないだろう。

肝心なのは、そんなパーソナルな想いをすら、200万以上のポピュラリティを獲得するまでに、タクローの筆致力や、バンドの底力が高められた、ということだ。それは技術的、戦略的なものではない。時代や、自分たち自身と対峙する精神力を、バンドが共有できていたことを意味する。それが、彼らの強さなのだ。

GLAY最大のヒット・シングル「ウィンター、アゲイン」などでは、ツインギター・バンドとしての彼らのスペシャルティが、今も変わらず響く。






※参考文献:
『ワッツイン2月号』株式会社ソニー・マガジンズ・2005年
『別冊カドカワ総力特集GLAY』角川書店・2005年


GLAY HAPPY SWING







 

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