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『お台場の女』
牧原俊幸と中村仁美が演歌を唄う意義

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みなさん、こんにちは。本日のお題は「部長と部下」という企画ユニットによる「お台場の女」です。

覚えておられるかたも多いかと思いますが、ちょうど10年前の2008年、フジテレビ系の『クイズ!ヘキサゴンⅡ』というクイズ番組が流行りました。同番組で「おバカ」とされるタレントさんたちの珍解答が人気を博し、ついにはその「おバカ」タレントでユニットを組んでCDデビューさせることになったのです。ユニット名は「羞恥心」。これが大ヒットとなりました。追従する形で、他の番組も「悲愴感」や「矢島美容室」などの企画ユニットを輩出するほどの一大ムーヴメントを巻き起こしたのです。かくして、2008年は、おそらくポケビやブラビが流行ったあの頃以来でしょう、およそ10年ぶりの、「企画ユニットの当たり年」となったのです。


企画ユニットが当たったのなら、即逐電、とすれば良さそうなものですが、そうもいかないのが世の常です。翌2009年も同番組からは「羞恥心」の二番煎じ的なユニットが続々と輩出されていきました(さすがに前年ほどのヒットには結びつかなくなっていましたが)。

「部長と部下」もそのなかの一つです。同番組のナレーターを担当していた、フジテレビのアナウンス室部長(当時)牧原俊幸と、同じく番組の進行役をしていた同局アナウンサー(当時)の中村仁美のユニットです。なんと正真正銘の「部長と部下」(当時)だったのです。



説明が長めですが、大丈夫でしょうか。

私は音楽家ではないため、当楽曲自体は、東京のお台場を舞台とした、男女の別れの物語をデュエットで唄ったもの、としか説明できないのですが、同番組ゆかりの楽曲群の中では、たぶん一番時代性を気にせずに聴けます。普遍性がある、と言いますか。これは、演歌というフォーマットが古典芸能化しているからこそのメリットだと思います。

もう一つ言わせて頂ければ、アナウンサーに演歌を唄わせるというコンセプトが良い。少なくとも、同番組の他の出演者であったつるの剛士や里田まいよりかは「演歌を唄わせる」のに適任だと思うのです。

というのも、演歌のルーツの一つとして「演歌師」があるからです。明治から昭和にかけて、時事ネタをヴァイオリンやアコーディオンにのせて面白おかしく唄っていた芸人のことなのですが、ヴァイオリンを弾く太田光(爆笑問題)のようなものでしょうか。実際に見たことがないので想像しかできませんが。ともあれ、アナウンサーの本分は(たぶん)報道ですから、「部長と部下」が演歌を唄うというのは極めてリーズナブルだと思うわけです。


作品情報

・作詞:カシアス島田
・作曲:高原兄
・編曲:斎藤文護、岩室晶子
・歌唱:部長と部下
・発表:2009年5月20日
・レーベル:フライトマスター







 

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