三板
沖縄流のカスタネット?
いきなり私事で恐縮ですが、大学時代に中国語を習っていたことがあります。もっとも、日常で中国語なんか使わないので、だいたいのことは忘れてしまいました。それでも自分の名前の中国読みくらいは覚えています。サンバンヤンピンです。つまり私のファミリー・ネームは「サンバン」なのです。
それがどうした、おまえの個人情報なんか求めてねぇよ、と言われるかもしれません。しかし今回の主役は「三板(さんば)」という、沖縄の楽器です。これくらいの前口上は、笑って済まされる範囲でしょう。というわけで本題です。雑誌って何? 本だい。はい、すみません。
三板とは何かと申されれば、沖縄の民謡に欠かせない打楽器の一種だ、としか言いようがありません。しかしそれではあまりに素っ気ないのでもうちょっと。
見ての通り、三枚の板を手に持って、音楽に合わせて叩くものです。はっきり言って、リズム感の良し悪しを別にすれば、大抵の人には扱えるでしょう。ま、言ってみればカスタネットみたいなものです。あちらがスペインで、こちらが沖縄(琉球)とでも言いましょうか。
エボニー(コクタン)や樫など、堅い木材が素材として使われます。とある意見には「ベニヤ板でも作れるわ」というものもあります。誰でも気軽に作って楽しめる、身近な楽器なのです。持ち方はいくつかありますが、それを文字(テクスト)で述べても分かりにくいだけです。無責任な言いようですが、三線奏者などとセッションをする時に、試行錯誤してみてください。
というのも、三板の開発者は沖縄民謡の大家、喜納昌永さんです。もともとは中国から伝わったパーカッションのひとつであった三板を駆使し、今日的沖縄民謡に取り入れたそうです。つまり正しい使い方なんか気にしたってしょうがないってことです。三板とて音楽の一部ですから、音に合わせてプレイして、楽しまれることが第一でしょう。それが喜納さんの精神に準ずることになる。と、思いますよ。
・沖縄三板協会HP
日本製のヴァイオリン
その現状を考察する