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坂本九『上を向いて歩こう』
日本が世界に誇る、不朽の楽曲

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戦後60余年、日本の音楽は欧米に倣い、ポップミュージック、最近の言い方をすればJ-POPとしての発展を遂げてきた。数多の楽曲が世に出され、世につれ、姿を消して来た。その中でその楽曲の信じがたい生命力で、今日(こんにち)に至るまで人々の間で脈々と世代を超えて伝わってきたのが、今から50年も前に世に出された、坂本九の歌う『上を向いて歩こう』だ。

当時のシングル・ジャケット
1961年10月15日 発売
作詩: 永六輔 作曲: 中村八大
B面:あの娘の名前はなんてんかな
坂本九。日本の俳優であり歌手でもある。戦後、1959年、ソロ・シンガーとしてデビュー。10代の頃よりエルヴィス・プレスリーやバディ・ホリーなどのロッカーに憧憬を抱く人だったという。

そんな彼が1961年10月に世に出したヒット・シングルが『上を向いて歩こう』だ。日本国内では1961年11月~翌年1月までの3ヵ月間、チャート1位を独占した。1962年にはヨーロッパでブレイクし、イギリスで『SUKIYAKI』と改題され(歌の内容はすき焼きとは無関係である)、仏・蘭などヨーロッパ各地でヒットを続けた。さらに翌年1963年にはアメリカでラジオを口火とし、大ヒットを記録。アメリカの有名なチャート誌であるビルボード誌で日本人初の3週連続1位をマークした(この記録を破る日本人は未だあらわれていない)。その勢いは21世紀のダウンロード全盛時代の今も変わらず、イギリスやアルゼンチンなど世界約70カ国でヒットし続けている。

今年発売のシングル・ジャケット
2011年7月13日 発売
<他の収録曲>
2. 一人ぼっちの二人
3. 見上げてごらん夜の星を
4. ともだち
5. 上を向いて歩こう(カラオケ)
これまで全世界で約1300万枚を売り上げたメガ・ヒット曲だが、そのヴォーカルも上述したような洋楽ロッカーの影響を受けたそれとなっており、独特の持ち味を出している。今から考えると、ある意味では日本語ロックのヴォーカリゼーションの祖とも言える曲かも知れない。

2011年になっても、その楽曲の魅力は色あせず、カヴァーする歌手は後を絶たない。そんな『上を向いて歩こう』だが、世に出て50年になる節目の年であるということで、シングル版として新たにCDで2011年7月に世に出されることとなった。時代の要請なのか、変わらぬ普遍性があるのか。「日本の音楽」を語る上で、今なお重要性を失わない、名曲であることの証明でもあるのだろう。


(協力:株式会社EMIミュージックジャパン)





 

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