ゼブラのシャーペン「デルガード」。2014年11月の発売開始以来、ロングヒットとなっているシャーペンです。なんと発売して2年で、累計1千万本以上を出荷したのだとか。はあ、凄いですね。インド人もびっくりですね。でもなんでそんなにヒットしたんでしょうか。
「デルガード」の最大の売りは、芯が折れないことです。皆さんもシャーペンを使っていて、一度は経験があるのではないでしょうか。原稿用紙なりノートなりにシャーペンでさらさら書いている(描いている)と、シャーペンの芯がボキッと折れる。折れた芯がそのへんで見つかることもあれば、見つからないこともあります。そうするとなんだか部屋が汚れた気になってもやもやする。私にもそういう経験があります。
そういったストレスから書き手を解放するべく開発されたのが「デルガード」なのです。
「デルガード」0.5ミリ(ライトブルー)
品番: P-MA85-LB
価格: 税抜450円
具体的にどうやって、芯が折れない工夫をしているのか。簡単に言うと、先端部分に2つのスプリングが組み込まれていて、それが筆圧から芯を守る。そういう「デルガードシステム」が内蔵されているのです。これにより、垂直方向と斜め方向(書き手がシャーペンに圧力を加えるのは、だいたいこのどちらかからです)、いずれからの圧力にも耐え得るシャーペンが出来上がったという次第です。
この「デルガード」を市場に出すまでに、ゼブラでは実に50本以上の試作品が作られたとのことです。それだけ「ああでもない、こうでもない、それは違うだろ」と試行錯誤があったんですね。そこまでやるか、という気がしなくもないですが。
もちろん、完全に折れないわけではありません。「人工物の定義は必ず壊れること」とは、生物学者の池田清彦さんの弁ですが、「デルガード」にしてもそれは同じこと。壊れるまでいかなくても、経年劣化は避けられないのです。スプリング部分が芯を筆圧から守る。ということは、この機構に不具合や劣化が起これば、たちまち芯が折れたり芯が詰まったりすることになります。これは(人工物である以上)避けようがないのです。
芯が折れにくいということも大切でしょうが、シャーペンで(というか筆記具で)最も重要視されるのは、書いていてどうかということです。つまり書き心地ですね。これは当然、個人差があります。なので「デルガード」にしても、他の筆記具と同様、店頭などで試し書きをした上で検討されるのが、宜しいのではないかと思います。芯径は現在、0.3ミリ、0.5ミリ、0.7ミリの3種類があります。