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開明墨汁
明治時代に作られた、墨汁の先駆者

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一月ももう終わりかけという今日この頃ですが、まぁ、一月と言えば、初詣と書き初めが定番です。日本の文房具と言えば、やっぱり、ペンや消しゴムより筆じゃないか、というイメージをお持ちの方もおられましょう。が、今回は、その筆の名ワキ役ともいえる墨汁の原点であり元祖、「開明墨汁」をご紹介いたします。



開明墨汁(黒)
容量: 70 ml
「開明墨汁」はいかにして創られたのか。時計の針を明治の頃、1890年代まで戻してみましょう。その頃の小学校にも習字の授業があったわけですが、岐阜県内のとある小学校に勤める一人の教員は考えました。「墨を磨るのに時間が掛かるというのは、時間がもったいない」と。この教員こそ、「開明墨汁」を作る開明株式会社の創業者、田口精爾なのですが、それはもう少し先の話。

やがてこの思いの高まりを抑えきれなくなった田口氏は、教壇を離れて、東京職工学校(現・東京工業大学)に入学し、化学を懸命に学びました。件の研究の眼目は、コロイド(牛乳などに代表される、拡散速度が遅く,結晶化しにくい物質)でした。小難しい話になりますが、水を使わなくても恒常的に使える液状の墨を作らなければならなかった、ということです。当時の技術では、固形の墨以外の墨なんて有り得なかったのです。

研究に次ぐ研究、試行錯誤をくり返し、彼は1898年、とうとう理想とする液状の墨を完成させました。文明開化の時代に生まれたこの商品は、「開明墨汁」と名付けられ、大ヒットとなったのです。なにしろ当時は、パソコンはおろかボールペンさえ無かったものですから、帳簿付けなどにも毛筆を使っていました。そのため、商業面から大ウケだったそうです。



開明 まんが墨汁
色: 純黒
容量: 30 ml
書道とは、空手道や合気道、剣道などのように、究めんとする道のひとつです。「墨を磨る」という行為には、精神集中・精神鍛錬の意味もあると言います。その簡略化には賛否両論ありましょうが、墨を使うのは何も書道だけではありません。魚拓や漫画制作にも、墨汁は使います。漫画の神様とされる手塚治虫も、「開明墨汁」の愛用者だったと言います。田口氏の当初の目的を超えた広範囲で、「開明墨汁」はその優秀性を、今日に至るまで立証し続けてきたのです。



会社情報

・社名: 開明株式会社
・住所: 〒336-0900 埼玉県さいたま市緑区原山2-22-20
・創業: 1898年







 

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