日本語 | English

■ 11月30日から12月30日にかけて、「味噌」をフィーチャーします。







Atom_feed
ユニボール・エア
描線幅を自在に変えられる、水性ボールペン

LINEで送る

以前、三菱鉛筆の「ユニ」を取り上げた。2015年の1月のことである。とはいえ、「ユニ」は鉛筆だけではない。同社のボールペンには「ユニボール」というシリーズもある。

2015年11月、「ユニボール」シリーズに新たな水性ボールペン(インクの色は黒、赤、青の3パターン)が加わった。「ユニボール・エア」である。価格は税抜200円。そこまで高くはないが、100円でボールペンが買える現状を思えば、割高感はある。そう思う人も多いだろうか。

「ユニボール・エア」の特徴は何か。先端部分に組み込まれた新開発のチップが、インクの量を適宜コントロールする。これにより、すらすら書けて(描けて)気持ちいい。いわゆる「ストレスフリー」な書き心地を実現したことである。その書き心地が空気のように軽い、だから「エア」なのであろう。また、筆圧やペンの持ち方を変えることで、描線幅を自在に変えられる点もアピールされている。



「要る? それ」

そう思った。書く文字の線幅を変えられると言われても、そもそもそんなことをする理由が思い当たらない。脅迫状でも書けと言うのか。しかし今のところ(幸いなことに)誘拐や脅迫を実行する予定も必要もない。それに文字の線幅を多少変えたところで、プロの筆跡鑑定をごまかせるとも思えないし。

これまでに何回か手紙を書いたことがある。今でも(プライヴェートの)年賀状は手書きで書く。でもその中で、文字の線幅を変えなくてはならない事態に遭遇したことがない。別に、手持ちのボールペンや万年筆で何ら不足はなかった。だから「いったい何のために?」という疑問が、どうしてもぬぐえないのである。

こういったことを可能にする技術は凄いのかも知れない。三菱鉛筆という会社の技術力や開発力を非難しているわけではない。それに、文具好きの中には、こういう筆記具がたまらなくそそる、という人も(それなりに)いると思う。彼らの感性や趣味を否定するつもりもない。ただ、筆記具としての実用性が、個人的にはわからないというだけのことである。そのへんの普通のボールペンとは違う、つまりひとつの「選択肢」として存在する、その有用性は認めるにしても。



ユニボール・エア(赤)0.5mm
品番: UBA-201-05/価格: 税抜200円
ボール径: 0.5mm、0.7mm/インク色: 黒、赤、青

それに書き心地をどう感じるかなんて、人それぞれである。このペンを使ってみて、ストレスフリーだ、心地好い、と感じる人もいるだろうし、なんか物足りない、いらいらする、と感じる人もいるだろう。どうしても個人差はある。だからこのペンが実際にどうかというのは、文房具店の店頭などで試し書きをして確認するしかないと思う。


会社情報

・社名: 三菱鉛筆株式会社
・住所: 〒140-8537 東京都品川区東大井5丁目23番37号
・創業: 1887年





 

まとまるくん
ヒノデワシのロングセラー消しゴム

ニューハード ケアS
風前の灯火であろうボールペン