「スライム」と聞くと、ドラクエのあの雑魚キャラを思い浮かべるかも知れないが、ツクダオリジナル(現・メガハウス)が1978年より展開している、おもちゃの一種である。なお、当初はアメリカのマテル社からの輸入販売だった(後にマテル社は諸権利を譲渡)。
「スライム」は、おもちゃではあるものの、ベトベトヌルヌルしているだけであって、これと言って特定の遊び方が存在するわけではない。が、なればこそ、使い手の裁量次第、自由にその遊び方を思索・模索できるのである。
取扱説明書があるというのは確かに分かりやすい。使い道が決められている以上、その通りにすればいいからだ。しかしそれを応用するとなると、創意工夫のための想像力や応用力が必要になってくる。特に現代の日本人に欠けていると揶揄されがちなトコロだろう。「スライム」の場合、いきなり応用から始まるワケで、創意工夫の精神を養うにあたり、丁度いいおもちゃなのだ。
ここで、筆者が小学生の頃の話をひとつ。当時、私が通っていた小学校は高台にあった(校門をくぐると階段だった)ので、学校から見て一般道は15メートルくらい下にあった。「スライム」を持って、「なあ、道路に投げてみようぜ」と言って、下に放り投げた。当然、「スライム」は道路にベチャッと広がる。何てことはないのだが、やたら楽しかった。