1965年、創業者の今野仁がフレーム・ビルディングをはじめてから来年で50周年を迎えるケルビム。長きに亘り、国内外にその名をとどろかせ、日本の自転車界を代表する自転車ブランドである。その自転車作りに込めた情熱と精神は、二代目・今野真一へと代がわりした今も、正しく受け継がれている。
今回紹介するのは、ケルビムのシティ・サイクルのラインナップのひとつ、「スタッガード」だ。
東京・町田を中心として展開してきたケルビムだが、2013年1月に東京・青山店をオープン。そのおり、青山という街に適した自転車を、ということで考案されたのが、俗にいう一般車、ママチャリであるところの「スタッガード」だった。
一昨年、北米ハンドメイド・バイシクル・ショーにて「ベスト・オブ・ショー」の栄冠に輝いたり、イギリス・ハンドメイド・ショーにてベスト・ロード・レーサー賞を獲得したりと、自転車作りの腕には国際的に定評がある同ブランドである。
とはいえ、ロード・レースに用いる、いわゆるロード・バイクと一般車では、用途もユーザー層も異なる。一般車のユーザーに対し、いかに「ケルビム」を打ち出すか。言うなれば、いかにこれまでのケルビムの経験と歴史を注ぎ込み、唯一無二の魅力を宿した一般車を提供するか。そこをないがしろにしては、ただの高品質の自転車であり、ケルビムが「スタッガード」を作る意義は無いに等しい。