ヤマハ発動機といえば、もともとは楽器製造会社だったヤマハが、先の大戦中にそのウデを買われて軍用飛行機のプロペラ作りに携わり、終戦後にその流れから二輪車ビジネスに参入するために作られたと言う、それなりの歴史を持つ会社。ちなみにあの有名なトヨタの2000GT(1967年のスポーツ・カー)も、エンジンはヤマハ発動機の技術協力がかなりあったというから、その技術力たるや決してあなどれない。
モーター・サイクル(自動二輪)といえば、国内はもちろん世界的にもホンダが強くて、売上高ベースで言うところのシェア・トップの座にいるわけだが、ヤマハは次いで世界2位に位置する。つまり、こと二輪においてヤマハを語るということは、「ホンダとヤマハ」を語ることになるのが自然だろう。
独断と偏見で言えば、ヤマハの二輪は、デザインとハイテクの二輪だ。ヨーロッパ勢に負けず劣らぬ、独自の美学を追求した麗しさは時代やカテゴリに全く囚われていない。しかしそれでいて、他のメーカーにはない最新技術をちょくちょく投入して来たりするなど、エンジンなどの駆動系も含めて、モーター・サイクルの最高品質を希求しているメーカーだと思う。